越石です。
皆さま読書の秋はいかがお過ごしでしょうか。私はというと先週読み終えた「三体」に続き、続編の「三体Ⅱ 黒暗森林」を読了しました。
上下巻からなるけっこうなボリュームの本書ですが、2週間(土日集中)で一気に読んでしまいました。
三体Ⅱ 黒暗森林の『あらすじ』
話は一部「三体」からの続きになります。さて400年後に宇宙人(三体人)が攻めてくるから対策練らなきゃとなった地球。でも三体人が先行して地球に送ってきた智子(ソフォン=陽子で出来た極小のコンピュータのようなもので、対になる陽子で三体世界とのリアルタイム通信も可能)で、地球の全ての行動や作戦が監視されてバレバレだし、基礎科学の発展も智子に阻害されて、やばいよ、まじやばいよ。でも心の中だけは智子にも読めないみたいだから、特定の人に心の中で作戦練ってもらおう!と、あらすじはこんな感じです。
少し冗長的な『上巻』
上下巻からなる本作、上巻はまず複数人の主人公が深く物語に関わっていく経緯が断片的に語られていきます。ぶっちゃけ少し冗長的でなかなか話が進みません。やっと後半、主人公のひとりであるルオジーが覚醒してからは怒涛の展開を予感させます。
最初から怒涛の展開の『下巻』
そして下巻。
はい、最初から怒涛の展開です。
怒涛どころではありません。ページをめくる手が止まりません。主人公ルオジーは400年後の決戦に向けて冬眠に入ることになりますが、なぜか200年が経過したタイミングで目覚めさせられます。そして上巻から一変した200年後の未来の状況に、主人公同様、読者である私も「なんだよ、なんだよ」「あ、そうなの?良かったじゃん」となります。で、絶望、からのカタルシス、と思いきや、また絶望、からのカタルシス。もう練りに練られた二転三転の展開に興奮しっぱなしです。すっごい言いたい。三体ネタバレ言いたい。三体あるある言いたい。ほんと良いもの読んだ。相変わらず登場人物の名前は馴染めませんでしたが。
『フェルミのパラドックス』解明?
前作「三体」のレビューの際に、こんだけ宇宙は広いんだから宇宙人はいるよ、ただ、広いし、宇宙スケールの時間軸の中では出会えないだけだよ、なんてことを書きました。
この「地球外文明は存在するのか?」という問題において、存在する可能性は極めて高いにも関わらず、現状はまったく存在するという証拠が見つからないことを「フェルミのパラドックス」と言うらしいのですが、この「三体Ⅱ」の下巻ではそのパラドックスが解かれます。いや、後書きにも書いてありましたが、「本当にそれが理由じゃない?」って思えるほど、単純で説得力があります。宇宙怖い。
最後に
とにかく面白かった。こんなに一気に小説を読んだのは久しぶりです。完結編の「三体Ⅲ 死神永生」は2021年の春ごろ刊行予定とのことですが、ほんと待ち遠しいです。
とりあえず、今更ながら小松左京の「果しなき流れの果に」を買ってきました。またSF熱に火がつきそうです。