越石です。
そういうわけでロイドフットウェアの青山店で茶色のセミブローグ(ハーフブローグ)を購入しちゃいました。
初のロイドフットウェア青山店での購入です。(前回の購入はロイドフットウェア銀座店でした。)
ロイドフットウェア Vシリーズ セミブローグ(ブラウン)
セミブローグ(ハーフブローグ)
う〜ん、素晴らしい。やっぱりロイドフットウェアの靴はデザインが素晴らしいです。私のハートにジャストミートです。このオーソドックスなデザインには本当に文句のつけようがありません。いいです。すごくいいです。
色は少しオレンジがかった落ち着いたブラウン。とりあえずは無色のアニリンカーフクリームを入れて磨いてあります。今回は基本薄めの靴クリームでいくつもりです。
そう、英国靴なんです、ラウンドトウなんです
この英国靴ならではのラウンドトウが堪りません。今や私の体はラウンドトウしか受けつけません。丸いつま先がいいのです。それくらい英国靴のデザインにハマってます。
さっそくつま先はポリッシュでハイシャイン
さっそく磨いちゃいました、我慢出来ませんでした。本来なら購入記事を書いてから、次にハイシャインしたった的な記事を書きたかったのですが、もう我慢出来ませんでした。磨いちゃいました。つま先をポリッシュでハイシャインにしてやりました。
もともとつま先のほうは黒っぽいムラがあったのですが、ポリッシュを塗って磨くことで色が濃くなり、いい感じにグラデーションがかかったようになってます。こないだのスコッチグレインと同じく、まずはつま先全体を無色のポリッシュで磨き、先端部分だけ茶色のポリッシュを重ねて磨いています。ポリッシュはkiwiのパレードグロスです。超いい感じ。ピカピカなのにぐっと渋くなりました。
もちろん靴底はダイナイトソール
もちろん靴底はダイナイトソールです。これは譲れないポイントです。ですのでロイドフットウェアでは自ずとVシリーズからの選択になります。
参考:靴磨きビフォーアフター
左が靴磨き前で右が靴磨き後。室内と外の撮影なんでかなり色味に差が出ちゃいましたが、劇的に変わったのは事実です。前述の通り無色のアニリンカーフクリームを塗って磨いただけでかなり艶が出ています。そして何よりつま先にポリッシュを施すことで印象がガラッと変わります。
ロイドフットウェア Vシリーズ セミブローグの詳細データ
品番 | 2827ER02 |
名称 | ロイドフットウェア(Lloyd Footwear) CAP OXFORD BROGUE |
色 | ブラウン(BROWN) |
ウィズ | E |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
甲革 | ブラウンカーフ(BROWN CALF) |
靴底 | ラバー(ダイナイトソール) |
生産国 | イングランド(製造元:バーカー) |
サイズ | 7 ½ |
定価 | ¥33,480(税込) |
いつもの如く悩みました
今回はVシリーズの黒のウィングチップと黒のセミブローグ、そして購入した茶色のセミブローグで迷いました。
黒のウィングチップ
黒のウィングチップは7.5の在庫がなく早々に候補から脱落。まぁすでに同シリーズで色違いの茶色を持ってますのでサイズがあったとしてもさすがにどうかと思いますが・・・それくらいウィングチップのデザインが気に入っています。
黒のセミブローグ
次に黒のセミブローグです。先のウィングチップもそうなんですが、今回黒が欲しかった理由としては、磨いた時の輝きはやはり黒のほうが渋いんじゃないかという理由からです。それだけです。もちろんどんな服にも合わせやすいというのもありますが、頭の中は磨くことでいっぱいです。
茶色のセミブローグ
そして購入した茶色のセミブローグ。やっぱり茶色もいいです。すごくいいです。悩みます。実はロイドフットウェア銀座店でプレーントウを購入した際に最後まで悩んだのがこの茶色のセミブローグでした。そのくらい気になっていた靴ではあります。
しかし、購入の決め手は店長さんの「この茶色の革は当たりだなぁ」の一言。
革は自然のものなので、どうしても品質にはバラツキがあるそうです。今回試着した黒のセミブローグ(サイズ7.5)は触った感じ少し革が硬いらしく、比べて茶色のほうは革の状態が良く、経年変化が楽しめそうないい革との事。
フィッティングの際は、指で革をギュッと押し込み、捨て寸や、甲の隙間を確かめてくれるのですが、同時に皺の入り方や革の状態も見ているみたいですね。当然私にはその違いは分かりませんでしたが、その言葉を信じました。なぜ信じたのかはこの記事を最後まで読めばなんとなく伝わるかもしれません。
ロイドフットウェア青山店のフィッティング
まずロイドフットウェアの銀座店で一度フィッティングをして購入していることを伝え、7.5のサイズをあらかじめ出してもらいました。もちろんその上で青山店の店長さんにもフィッティングをしてもらいます。
まず当日は厚手の靴下を履いていたので「本気のフィッティングをするなら靴下変えましょう」と普通の靴下を貸してもらいます。そして厚手の靴下を脱ぎ、裸足になった私の足を見て「25㎝かな」と店長さんが一言。靴下を履いて足用の定規で測ります。なんとぴったり25㎝。店長さんが「ね」と言います。ただ少し指が太いらしく横幅があるため25.5㎝(7.5)が良いだろうとのこと。「遊んでみますか?」と試しに7も履いてみますが、様子を見るなり「足を上げた時に踵が痛いんじゃないですか?」との指摘。はい、足を上げると踵が痛いです。そんなわけで7は少し小さいという結論に。ちなみにちょうど7.5があった茶色のモンクストラップも勧められて試着してみましたが、一番フィットしているとのことでした。しかし今回はメダリオンが入った靴が欲しかったので少し悩むもやめときました。ちなみにモンクストラップは思った以上にドレッシーで素敵。あぁ、お金が余っていたら欲しかった。お金が余っていたことなど、これまで一切ありませんが。
そんな感じで最終的なサイズは7.5と銀座店と一緒でしたが、青山店の店長さんは丁寧な説明をしてくれるので、より納得感がありました。
※けっして銀座店の接客は悪いわけではありません!
色んな靴の話が聞けました
ネットでは何かと噂のロイドフットウェア青山店の店長さんですが、前述のフィッティングもそうですが、本当に気さくそのもの。フィッティングしながら色んな話を聞けました。なんだかんだで1時間くらいは話したんじゃないでしょうか。
靴紐の結び方
在庫の靴によってシングルだったりパラレルだったりと結び方がバラバラだったようで、シングルとパラレルの紐の緩め方の違いについてレクチャーしてもらいました。
文章ではなかなか伝え辛いのですが、シングルの緩め方は上と下を緩めるという意外なもので、パラレルは上のほうを普通に緩めればいいとのこと。ですのでシングルは紐を通すのは楽ですが、緩めるのは少し面倒との事。なるほど、楽なんでほとんどの靴をシングルで通してますが、緩めたりすると左右の紐の長さが変わってしまうのは緩め方が間違っていたからかもしれません。
当日履いていたクロケット&ジョーンズ「ONSLOW」の革質
こないだ中古で購入したクロケット&ジョーンズのONSLOWを履いていたのですが、革がすごく良いと褒めてくれました。購入価格も伝えましたが「それはかなりお買い得」との事。(ちなみに5万円くらいしたんじゃないですかって言われました。もちろんそんな高くないです。)その後も何度も靴を手に取っては「本当にいい革だ」と褒める一方、ここ何年かは靴(革製品)の作り過ぎで、世界的にいい革が減ってきていると嘆いていました。
中古で買ったロイドフットウェアのドーバーについて
クロケット&ジョーンズの話の流れで、中古で購入したロイドフットウェアのドーバーについても話してみました。上のスマホの写真も見せた上でブックオフで1万円で購入した事を話すと「それは安い」と相当驚いていました。そしてなんと店の裏から自分が昔履いていたというドーバーを持ってきて見せてくれました。私と同じ黒のドーバーです。かなり年季は入っていましたが、やはりドーバーはかっこいい。「ラスト32は細いでしょ?」「小指が当たりますね」「でしょ!」なんて話で少し盛り上がりました。いや、マジでいい人っぽい。そして靴が好きっぽい。
靴磨きについて(ポリッシュ)
で、自然と靴磨きの話になるわけですが、私がポリッシュにはまっている話をすると「いつか飽きますよ(笑)」とのこと。店長さんも昔は狂ったようにワックスでピカピカにしていた時期があったそうですが、常に光ってないと気が済まなくなり、精神衛生上良くなかったとの事。まさに今の私がそうです。
ちなみにワックスは革に悪いですか?と質問すると「それはないですよ、靴用のワックスなんで、磨いてない人よりはむしろ革に良いですよ」との事。よし、当面は飽きるまでポリッシュしよう。
靴クリームだけでピカピカになる〜靴磨き実演
そしてここからが目から鱗の話で、店長のトークも白熱します。それはワックスを使わなくても普通の靴クリームで磨くだけでもまるでハイシャイン(鏡面)のように光るという話。またまたお店の裏から実際に靴クリームだけでずっと磨いてきたという靴を持ってきて見せてくれました。
めっちゃ光ってます。艶々です。
鏡面磨きの艶とはまた少し違いますが、本当にピカピカ。すごく上品な艶。
すると、そのピカピカの靴に実際靴クリームを塗り出し、磨き方についてのレクチャーが始まります。これは嬉しい。興味津々です。
まず、靴クリームはブラシで強く塗るとのこと。靴クリームには溶剤も入っており、ブラシで強く擦ることで汚れも取れるので、わざわざステインリムーバーを使わなくて良いとの事です。ここら辺は賛否両論ありそうですが、実際目の前の靴はピカピカですし、何十年(?)もこの方法で靴を磨いてきた人の言葉ですので問題はないのでしょう。
次にブラッシングですが、これも毛先だけを強く当てしっかり磨くのがコツだそうです。
そして最後にシリコン入りの布で磨くのですが、もちろん強くです。しっかり手の平で押し当てて、強く磨いてくださいとの事。磨いた布は使えば使うほど靴クリームが染み込んでいくので、この布で磨くだけも艶が出るようなるそうです。300円なんで一緒に購入しました(笑)
本当に靴クリームだけでピカピカだなぁと感心していると、今せっかく磨いたばかりの靴に対して、いきなり霧吹きで水をかけます。
「ほら、水弾くでしょ?」
すっごい水弾いてます。
靴クリームだけで磨いてもこんだけ水を弾くんだそうです。マジか、目から鱗です。ワックスの場合、水を含んでふやけたりもするから、ポリッシュに飽きたらぜひ靴クリームだけで磨いてみて欲しいとの事。
ちなみに使っていた靴クリームは普通のモウブレイのシュークリームです。もちろん私も持ってるあの普通のモウブレイのシュークリームです。靴好きなら誰でも持っているだろうあのモウブレイの靴クリームです。
最後にどのくらいでこんなに光るものなんですかと聞くと、
「10年くらいですかね」
え?10年?
「根気は要りますけど、いい革は靴クリームだけで本当に光りますよ」
という熱い言葉を頂きました。
さらっと10年か・・・良い靴を永く大切に履いてもらう事をポリシーとしているロイドフットウェアらしい一言なのかもしれません。
こんな感じですっごく楽そうに実演付きで話してくれるんです。他にも色んな話をしてくれましたが、結論すっごくいい人でした。話好きの人でした。
以上、こんなやり取りがあったんで「この革は当たりですよ」の言葉を信じたわけです。「いい艶が出ますよ」という言葉を信じたわけです。これは信じてしまいますよね。
最後に
実は、そもそも買う気は50%もなかったかもしれません。仕事が早く終わり時間が出来たのでブラっと寄っただけなんです。次に靴を買うならどれにしようかくらいの軽い気持ちで店舗に行ったんです。
しかしそこはロイドフットウェア。店内に並ぶどの靴も素晴らしいんです。素敵なんです。めっちゃかっこいいんです。輝いてるんです。
そして何より、青山店の店長さんのフィッティングと接客に正直やられました。その実直な接客、そして豊富な靴の知識、本当に良かったです。色々勉強になりました。そういうわけで買っちゃいました。
ロイドフットウェア青山店、いい靴屋です。次もこちらで買いたいです。