越石です。
11月30日発売の冨田ラボの待望の5枚目のニューアルバム「SUPERFINE」を聴きました。もちろん初回限定版を購入です。
あくまでファーストインプレッションですが、これは問題作です。
ドラムが生っぽくありません。
機械的なリズム
リズムトラックが音色も含めいわゆる打ち込みの機械的なリズムです。ほぼ全ての曲が機械的なリズムトラックです。
元々冨田ラボのアルバムでは全て例外なく打ち込みによるリズムですが、これまでのように生ドラムを緻密にシミュレートしたようなリズムトラックは聴けません。一部生ドラムっぽい音色を使用した曲(#6、#7、#8)もありますが、変則的なリズムばかりで、オーソドックスな生ドラムっぽい曲はありません。唯一、藤原さくらがボーカルの「Bite My Nails」ではジャズドラム的なものを打ち込みでシミュレートしていますが、ブラシを使用した音色ですので「これじゃない感」は否めません。ちなみにこの曲が個人的にはアルバムナンバーワンの曲です。切ないメロディとアレンジが最高です。正直こんな曲を全編で聴きたかった。
前作からいくつかの曲で若干その傾向はありましたが、本作ではさらにその傾向が進んでいます。birdのアルバムでもリズムが同じ傾向にあったので嫌な予感はしていましたが・・・
とは言え・・・
曲はすごくいい。
メロディ、アレンジ、ゲストボーカルと、さすがの冨田ラボクオリティです。捨て曲無しで超絶リピート間違いなしです。
全体的に音色なども含め80年代の音楽を彷彿とさせます。個人的に80年代のキラキラしたアレンジと分かりやすいメロディは最高に好きです。そういった雰囲気の中に冨田ラボならではの複雑なコード進行とラップ調の今風のメロディを乗せたりしています。アップテンポな曲が多い印象です。
求めていたのは王道のAOR?
しかし、冨田ラボに求めていたのはいわゆる王道のAOR。美しいメロディと複雑なコード進行、それにねっとりと絡む生のストリングス、そして打ち込みであるにもかかわらず生ドラムと区別のつかないリズムトラックです。けっして「生っぽい」から良いのではなく、その音色、フレーズ、リズムが最高にかっこ良くておしゃれで気持ち良いのです。
ちなみに前述の通りナンバー1の曲は6曲目の藤原さくらがボーカルをとる「Bite My Nails」ですが、ナンバー2は坂本真綾がボーカルの「荒川小景」です。作詞は我らがキリンジの堀込高樹です。スローバラードで美しいメロディが素敵です。ボーカルもしっとり聴かせてくれます。しかしそんな曲においてもリズムはTR-808的な機械的なトラックです。冨田さんの中でやはり旬なんでしょうね。
次点で5曲目の「ふたりは空気の底に」と9曲目の「笑ってリグレット」でしょうか。7曲目の「鼓動」も良いかも。
あくまで、全くと言ってもいいほど聴き込んでいない状態のファーストインプレッションですがそんな感じの問題作です。
※個人の感想です。
でも超リピートします。
やっぱり曲はいいから。
荒川小景、歌詞やばい。
男が書いた歌詞だってのはよくわかるけど、こういう感情って確かにあって、めっちゃ傷つきまくってる女の人ってこんなこと言うよなぁ、って思うわ。
コメントありがとうございます!
堀込高樹さんの独特の世界観がマッチしていますね!