【レビュー】岡村靖幸のニューアルバム「幸福」を聴いたった!!!

[記事公開日]2016/01/26[最終更新日]2016/11/22

岡村靖幸「幸福」ジャケット

越石です。

そうなんです、岡村靖幸が11年ぶりにニューアルバムを発売したんです!

その名も「幸福」です!

私も幸福です!

そんなわけで早速感想です。

 

1.できるだけ純情でいたい(新曲)

のっけからキャッチー&オシャレな切ない切ない切ないミドルテンポのナンバー!
これは期待が高まります。

もう、ただただオシャレ。艶めかしいボーカルとファルセットで聴かせるサビが素晴らしい。コーラスも凝ってます。「したい × したい × したい」のところとか。大サビの「めかしこんで踊りに行こうよ」の部分もすごくいい。50歳独身だけどできるだけ純情でいたい感じが伝わります。

アレンジはブリブリのベースにアコギがファンキーに絡み、間奏のギターは少しスパニッシュ。アウトロはチョッパーベースがファンキーでかっこいい。痺れる。クレジット通りならベースもギターも岡村靖幸のはずですが凄すぎる。上手すぎます。
何かの曲に似ているなんて無粋ですが、西田彩栞の「どうなっちゃってるの どうだっていいんじゃない」を髣髴とさせます。

ボーカルもこれまでで最高レベルのクオリティ。Aメロではしっとりと艶めかしく色気たっぷりに歌い、サビでは一転ファルセットの爽やかなボーカルが聴けます。

とりあえず名曲確定しました。この曲を聴くためだけにアルバムを買ってもいいくらいの名曲です。ずっとヘビーローテションしてます。

 

2.新時代思想(新曲)

2曲目はラップ調。アチチチ的な感じ。正直そこまで好きなジャンルではないです…ただアチチチよりは完成度が高く曲として安定してる感じ。音程やリズムが安定しているとこんなにも違うもんなんですね。全盛期ってすごい。

 

3.ラブメッセージ

シングル曲のラブメッセージ。言わずと知れた名曲です。ここ最近のシングルの中では1番好きな曲です。ポップでオシャレです。

正直サビは弱いですが、それを補って余りある多彩で素敵なメロディにやられます。

この曲のみベースが横倉和夫さんです。

以下、シングル発売時の感想です

すっごくいいーーーーー!!!
全盛期ーーーーーーーー!!!
おしゃれーーーーーーー!!!

ここ最近のシングルで何度も言ってますが、本当に全盛期です。今が旬の岡村靖幸です。一時は正直どうなるかと思いましたがもう大丈夫です。全盛期です。

思えば、岡村靖幸の音楽に出会ったのは25年前の14歳の頃。あの頃と同じ感動やトキメキを39歳になった私に今も届けてくれるなんて思いもしませんでした。最高です。

岡村靖幸シングル「ときめき度」更新

そんなわけで前回の「彼氏になって優しくなって」に引き続きトキメキ度グラフを更新。もちろん最高トキメキ度を記録しております。

岡村靖幸トキメキグラフ2015年2
※曲の好き度合いや評価とは異なり、あくまで発売当時のときめきを表しております。
※私がリアルタイムでシングルを購入しだした「どうなっちゃってんだよ」から集計。当時青年14歳。
※「カルアミルク」「Peach X’mas」はシングルカットの為、ときめき度は低い。
※「セ●クス」はメロディが薄い為、今も当時も個人的に違和感。

曲について

すごく変則的な曲です。サビがないです。
「アイウォンチュー」ってところがサビというかリリック的に繰り返されますが、正直サビというには弱いです。

じゃあ、ダメなのかと言ったら答えは「NO!!!」です。最高なんです。ポップなんです。おしゃれなんです。4分という比較的長い曲にも関わらず、めくるめくメロディがどれも素晴らしく、あっという間の4分です。

まずのっけの「ウ〜ベイベ〜」から始まるおしゃれでキャッチーなメロディーが心地よいです。本当にポップです。イントロの4分打ちのストリングから「だいすき」を彷彿とさせます。
そして「アイウォンチュー」のリリックを挟み、大サビのようなメロディーに変わります。それがまたものすごくおしゃれで切なくてかっこいい。そしてまたリリックを挟み、今度は本当の大サビが続きます。もちろんここも最高にかっこいい。そして間奏は今では少し懐かしいサックスのソロ。昔は多かったですね。すごく心地よいです。そういえばベースも全編ブリブリですごく気持ちいいです。

ちなみにジャケットの文字が「デブメッセージ」に見えたのは私だけではないはず。

4.揺れるお年頃(新曲)

新曲です。ムーグっぽいベースがミュンミュンうねってます。そこにアコギが絡みます。最高にかっこいい!!!

アコギは左右で2本入っているのですが、素晴らしいカッティングとフレーズが聴けます。やっぱりこういうギター弾かせたら岡村靖幸の右に出るものはいません。ほとんどリズムが入っていないにんもかかわらず、ギターとベースだけでこんなにねちっこいリズムを生み出せるなんて凄すぎます。間奏ではスライドギターも聴けます。シンプルな曲ですがすごくいいです。かっこいいです。やったぜ。

5.愛はおしゃれじゃない

こちらもシングル曲。ベースボールベアーの小出祐介とのコラボ曲です。名曲です。

4:08あたりのコード進行が最高に切ないことで私の中で有名です。

以下、シングル発売時の感想です

1番はまるまる岡村靖幸がボーカルを取り、大サビの”愛はおしゃれじゃない〜”のところで小出祐介とユニゾンで歌ってます。
これは実質、岡村靖幸のソロか?と思いきや、2番は小出祐介がメインボーカルです。
Base Ball Bearはあまり聴いたことはなかったのですが・・・いいですね!!!小出祐介の爽やかなボーカルに爽やかなメロディがハマってます。これは過去にコラボした曲も聴いてみないと。

実は今回のシングル、岡村靖幸のソロではなくコラボレーションということで正直心配もあったんですけど杞憂でした。むしろ有りでした。そういえば岡村靖幸は過去にもPSY・Sのチャカとのコラボレーション(聖書、Dog Days)や、CHARAとのコラボレーション(パラシュートガール)など、けっこうコラボレーションしてました。

アレンジは打ち込みメインのダンサブルなサウンド。この季節にぴったりな爽やかでちょっぴり切ないナンバー。ピチカートのフレーズがかわいい。ベースの音色やサビ前とか少しPerfume(中田ヤスタカ)っぽさもw
曲の構成は、サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→大サビと「はっきりもっと勇敢になって」と同様のサビ先行パターン。小出祐介がギターも弾いてます。
4:00あたりのサビではリズムがブレイクし、岡村靖幸お得意のアコギのアルペジオだけになりますが、4:08あたりのコード進行が最高に切なくて衝撃的で、思わず「かっこええ〜〜〜!」と声を上げてしまいました。聴く際は要注意です。
愛はおしゃれじゃないかもしれないけど「愛はおしゃれじゃない」はおしゃれです。レッツゴー。

詳しいレビューはこちら

6.ヘアー

こちらはシングル「ラブメッセージ」のカップリング曲。アップテンポなファンクナンバーです。

詳しいレビューはこちら

7.ビバナミダ

こちらは当時6年ぶりに発売された記念すべきシングル。復活の狼煙はこの曲から上がりました。

テクノビートに乗ったダンサブルなナンバーでビバカッコよくて、ビバポップです。

作詞はノーナ・リーヴスの西寺郷太さんと共作。Bメロの「シャラルラ」に西寺さんを感じます。

以下、シングル発売時の感想です

ビバ カッコイイ!!!ビバ ポップ!!!ビバナミダ!!!

まるで他アーティストへの提供曲の時のようなポップさを感じましたが、元々誰かに提供する予定があったようですね。

Aメロは抑え気味に淡々と始まり、Bメロで切なさを醸し出し、サビで一気に盛り上げる!
こういうの待ってました!
メロディもアレンジも全然ちがいますが、なぜかシティハンターの主題歌「SUPER GIRL」を思い出しました。
声も良く出ていて(失礼・・・)素晴らしいです。
※個人的にはアルバム「靖幸」~「家庭教師」の頃のような丁寧なボーカルを待ち望んでます。

アレンジはテクノっぽいリズムに、キレキレのカッティングギターとチョッパーベースが絡むファンキーなナンバー!
シンセベースを基本に、生っぽいチョッパーベースを被せる手法は最近の岡村靖幸の流行りでしょうか。
すごくカッコイイ。
話しズレますが、チョッパーベースを被せる手法は昔テイ・トウワも好んでやってましたね。

そんな感じでリズムは最高にノリノリで、ファンキーでおしゃれなコード進行も健在です。
サビから入るシンセのストリングスは、音はチープだし、白玉の単純なフレーズなのに、コードの絶妙なラインをなぞる事で、複雑なコード進行の切り替えを自然かつオシャレにしてます。
やっぱこのアレンジセンスは素晴らし過ぎて悔しいです。ビバナミダ!

曲調は、岡村靖幸自身の「モン・シロ」や提供曲である桜塚やっくんの「あせるんだ女子はいつも~」や、BUCK-TICKの櫻井敦司に提供した「SMELL」を彷彿とさせます。打ち込みリズムにチョッパーベースパターンです。

詳しいレビューはこちら

8.彼氏になって優しくなって

こちらもシングル曲。メロウでファンクでダンサブルなナンバー。オシャレ。この曲で岡村靖幸は私に全盛期をアピールしました。

以下、シングル発売時の感想です

素晴らしい!!!!!!!!
かっこいい!!!!!!!!
オシャレ!!!!!!!!!
カッコシャレ!!!!!!!

もうね、やっぱ岡村靖幸ですよ。
いつまでたっても岡村靖幸ですし、これからも岡村靖幸ですよ。
このキャリアにしてまだまだ岡村靖幸は進化してますよ。しかも正常進化ですよ。ただし絶対常識の範囲内でね(意味深)。
しかし、タイトルが「妻になってよ」と比べ退化してますが大丈夫でしょうかw

最近たまたま、ずっと大好きだったTM NETWORKの新曲をiTunesで試聴してみたんですけど、正直これじゃない感が・・・。メロディもアレンジもボーカルも全てが全盛期と比べて見る影もなく・・・。終了宣言しないでそのまま続けていたら違っていたんだろうか?今も新曲を買い続けていたのだろうか?

そんな事があったんですが、岡村靖幸はやっぱ岡村靖幸でした。

復帰後の「ビバナミダ」「愛はおしゃれじゃない」と非常にクオリティの高い楽曲を連発し絶好調の岡村靖幸ですが、「彼氏になって優しくなって」も負けず劣らずの最高傑作です。一番だよ。一番だよ。
そう、これなんです。ファンにとっては、出す「新曲」全てがその時点での「最高傑作」なんです。そんな当たり前の事が出来る岡村靖幸が最高です。

以下、越石倫行が公式に発表している個人的な岡村靖幸シングル別「ときめき度」推移です。

岡村靖幸ときめきグラフ
※曲の好き度合いや評価とは異なり、あくまで発売当時のときめきを表しております。
※私がリアルタイムでシングルを購入しだした「どうなっちゃってんだよ」から集計。当時青年14歳。
※「カルアミルク」「Peach X’mas」はシングルカットの為、ときめき度は低い。
※「セ●クス」はメロディが薄い為、今も当時も個人的に違和感。

【感想】さてさて「彼氏になって優しくなって」はどんな感じ?

メロウでファンクでクラブでかかっていそうなオシャレでダンサブルなナンバー。イントロのエレピとストリングスの絡みにやれます。そして静かに心のミラーボールが回り出します。すっごいオシャレ。
最近の楽曲の傾向として、ベースやギターのチョッパーの使い方がほんとにファンクでかっこいい。やばいし、くやしい。
この曲もサビ先行で、Aメロ、Bメロ、サビとしっかり構成されており、全てのメロディが素晴らしい。岡村節炸裂です。そしてご安心ください、間奏では靖幸アルペジオがちゃんと聴けます。
もうほんと今さらなんですが、声もちゃんと出てます。全盛期を完全に取り戻してます。むしろ今が全盛期です。

詳しいレビューはこちら

9.ぶーしゃかLOOP(新曲?)

ホームページのあの曲かと思いましたが、アルバム用にちゃんとアレンジされた曲でした。「新時代思想」同様、こういうメロディの薄いタイプの曲はあまり好みではないのですが、なぜか聴いていて飽きません。たぶん23歳。だっふん!中毒性のある曲です。

 

以上の全9曲です。うち新曲は3曲でした。

【総評】キャリヤ史上最高クオリティの名盤

高いレベルのメロディとアレンジ

一時期のコラージュ感は減り、しっかり丁寧にアレンジや作曲がされている印象。個人的にポップスとして1番丁寧に作られていると思うアルバム「靖幸」にも匹敵する出来です。
全体的に打ち込みのリズムにアコギとブリブリチョッパーベースを絡めるアレンジが多く、岡村靖幸独自のファンクがさらに昇華している印象もあります。とにかく素晴らしい。お世辞抜きにこれまでのアルバムの中でも最高レベルのクオリティです。

キャリヤ史上もっとも安定したボーカル

こちらも非常に丁寧。音程も安定し声も出ています。いや、出ているってレベルではなく、長いキャリアの中でも1番ボーカルが安定しているんじゃないでしょうか。やっぱ岡村靖幸って歌上手いわって自信を持って言えます。

ボーカルも一時期は良い部分だけを切り貼りしたような印象がありましたが、今作では全くそんなことは感じさせません、完璧です。お世辞抜きで全盛期です。ただ、いつもに比べフェイクは少なめです。

繰り返しになりますが「できるだけ純情でいたい」はこれまでのキャリアの中でも最高のボーカルを聴かせてくれます。岡村靖幸最高レベルの艶めかしいボーカルと爽やかなボーカルが両方楽しめます。全盛期です。鳥肌立ちます。

オリジナルアルバムの個人的評価

あくまで参考ですが、これまでのオリジナルアルバムの個人的な評価です。

yellow(1987年3月21日)

真面目な岡村靖幸です。個人的に「冷たくされても」が名曲。

DATE(1988年3月21日)

お馴染み「Super Girl」や個人的な名曲「19」など名曲揃いの名盤です。

靖幸(1989年7月14日)

基本的なアレンジや演奏が全て岡村靖幸になった記念すべきアルバム。そしてメロディ、アレンジともに完成度が高くポップスのアルバムとして最高傑作です。家庭教師よりも聴きやすく万人にお勧めのアルバム。

家庭教師(1990年11月16日)

言わずと知れた名盤。このアルバムで岡村靖幸ワールドが確立した感があります。ポップさは少し薄れますが、その独自の世界観で日本の音楽を変えたと言っても良いアルバム。「靖幸」と甲乙付け難い傑作です。

禁じられた生きがい(1995年12月13日)

本当に名曲揃いですが、個人的にほんの少しだけ粗さを感じたアルバム。

Me-imi(2004年9月1日)

ボーカルが不安定で正直クオリティが少し下がります。「ファミリーチャイム」のみ別録音のように声が出ており、その切ない素敵なメロディとも相まって名曲に。

幸福(2016年1月27日)

そんな歴代のオリジナルアルバムの中で、先述の通り「靖幸」や「家庭教師」に並ぶクオリティ。やはり全盛期か。

最後に

シングル曲が多いので当たり前と言えば当たり前ですが、捨て曲無しの非常にクオリティの高いアルバムです。しかも50歳にしてこれまでのアルバムの中でも1番ポップなアルバムを岡村靖幸は作り上げてくれました。もちろん岡村靖幸ならではのマニアックさはありますが、よりポップに昇華されている感があります。
そんなニューアルバム「幸福」は岡村靖幸入門用のアルバムとしても持って来いですし、往年のファンはそのクオリティに涙することでしょう。ビバナミダです。もしもシングルを聴いていない状況でこのアルバムを聴いたとしたら、あまりのクオリティの高さとポップさに正気を保てず失神していたかもしれません。シングルを聴いておいて本当に良かったです。家族に迷惑をかけるところでした。

そんなわけでやはり岡村靖幸は今が全盛期です。そう、常に全盛期です。私が14歳の頃から常にトキメキを与えてくれます。

待ってて良かった。そしてこれからの岡村靖幸の活躍にも期待です。

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